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伊藤栄二氏が大切にしてきた「自分らしさ」を大切にする人生とエニーとのかかわり方について聞いてきました。

GOLD PARTNER

伊藤栄二氏
1989年3月 立命館大学産業社会学部卒業 1989年4月 三菱化成株式会社入社。現在は、株式会社ワイ・エム・エスの半導体・二次電池等製造向け粉粒体搬送装置の営業を担当。

エニーに参画したのは、会社の中で若い人たちと関わる機会も、外に出て若者とつながる機会もない一方で、私自身が彼らから学びを得て成長をしていきたいと考えていたのがきっかけです。

私はこの40年間、自分の職種や職場を変えながら会社員としてキャリアを築いてきた一方で、自分自身のアイデンティティであり好きなことを語れる人でもありたいとずっと考えてきました。

今私のコミュニティでは、ミドル世代と呼ばれるいわゆる子育ても落ち着いた世代の方たちと関わることが多いのですが、キャリアを築き始めて20年ぐらい経ったときに、自分のアイデンティティに初めて向き合う人がたくさんいます。人生の選択において機会損失をしているということをその時点で気づくのは、やはりもったいないという気がします。そういった経験もあって、ファーストキャリアを決める前の学生に、私自身の経験を伝えられる機会がないか探していました。

――アイデンティティを知って、アイデンティティを尊重した人生を

私は、40年弱ぐらい会社員でいますが、会社員でありながら自分の名前で「こういうことが好きで、こんなことができる伊藤です」というように、会社員の自分とあわせて両方を並び立たせる人でありたいと思いここまでやってきました。

 

例えば、私の一番夢中になっていることはランニングです。今はそういう文化は少なくなってきているかもしれませんが、会社の中で「そんなに一生懸命走ってるんだったら、そのパワーを仕事に生かしてよ」なんて方々で言われるわけです。

 

これはとても残念なことだと感じていました。そうではない時間のときの自分がいるから、仕事の時の自分もまた存在しているわけで、そうした指摘に矛盾を感じながら会社員をしてきました。最近でこそそういうのはなくなってきたと思いますが、実際はまだそういうことが多いですよね。組織人となれば、多くの人が1日8時間以上を過ごすところであり、その時間に自分のアイデンティティを尊重され、また同じように同僚のことも尊重する、そのような時代がエニーと共に始まればいいな考えています。

 

特に組織の中で働くことを検討している若い人には、これからも自分らしい人生をあきらめる必要はなく、会社と自分のベクトルを合わせて、自分が成長するという認識に変えてほしいと考えています。また、社会に出てからも、自分自身のアイデンティティを追求するということをしてほしいと思います。

 

社会に出ると、状況はあわただしく、しかし単調になる中で、日本人の教育柄なかなかそういう機会がないと思いますが、私自身も、エニーでのつながりの中で今回のインタビューもそうですが伝えていきたいと考えています。また、そうした活動をとおして自分自身もさらに成長していきたいと思います。

――社会人になる準備をしているエニー生に伝えたいメッセージ

私は、中学生の頃に自分自身のアイデンティティを考える機会があり、その頃から組織人と個人を両立させて生きていくという考えを持っていましたが、そのような自分自身の底にある大切な考え方や思考というものは、会社に入ってから考えられる人はなかなかいないと思います。

 

なぜ中学生という早い時期に「アイデンティティ」の大切さとそれについて考える機会があったかというと、私には四つ上の姉がいます。四つも離れているので、比べられはしません。ただ私としては、色々な面で姉には負けたくないと感じており、ある種競争心の中から、「自分はどうすれば負けないか」「どういう良いところがあり、何を伸ばせば自分のことを誇らしく思えるのか」考えてきた中で、それらが昇華する形でアイデンティティの探求につながったように思います。

 

私はラッキーなことに中学生の頃にその大切さを追及するという経験をしましたが、社会に出る前からある程度構築しておかないと、やはり会社という組織の中に埋もれてしまう、気づかない間に個が埋没することは仕方ないことだと感じます。

だからこそ社会に出る前に、自分がどのような会社に入ろうともこれだけは人生を歩んでいく中で変えないこと、このような「構え」を作っておくことが重要だと感じますし、それを作っておかないと、自分が大切にする価値観を基にした人生を築いていくことは難しいと感じています。

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――海外への留学経験で得た「アイデンティティ」の重要性

私は、学生の頃短期留学でしたが大きな衝撃を受けました。「その研究であなたは何を伝えたいんだ」「日本人としてどう思うんだ」常に自分に矢印を向けられて答えなければいけないような状況がそこにはありました。そこでの原体験もあり、やはり人生において「アイデンティティ」を意識するということに大変こだわってきました。

それは今留学されてる方もすごく痛感していると思います。「お前は何なんだ」ということを日本では言われません。ところがひとたび国を出ると、アイデンティティが基本にあることは、何か特別なものでもなく当たり前のことだと感じました。

 

また、グループでの活動やクラスでの役割分担の時も、常に「社会の中のあなたがどういう役割を担っている存在なのか」ということをとても意識させられました。向こうでは普通のコミュニケーションかもしれませんが、日本人の私には大きな衝撃がありました。

自分を語れない、そこを起点として物事を選択していない、そうした文化の下、育っている日本人はそこが弱いところだと感じます。ビジネスの世界でも、どうしても同じ土俵に立つと負けてしまっていますが、日本の素晴らしい歴史を誇ったうえで、アイデンティティの追求が当たり前な社会となり、また、これから社会に出る方はそこの重要性を認識して取り組んでほしいと考えています。

 

私は、自分自身の人生の築き方、姿勢をこれからも示し続けていくことで、エニーの文化拡充に貢献し、社会を変えていく一助にしたいと考えています。また、エニーにかかわっている皆さんとは同志だと思い、一緒に取り組んでいきたいと考えています。

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