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どの世代も成長できる
プロジェクトとしての可能性

起業家
Sakamoto Satoshi

現在教育事業会社を経営されている共創パートナーの坂本聰さんに、次の世代につなげていく「any」の魅力について聞きました。

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坂本 聰

一橋大学卒業後、システム開発会社に就職。その後退職し、1999年考学舎を設立。国語の教え方を自身で考え、海外で学んだことも活かし生徒に合った方法で教えている。

ー坂本様が経営されている考学舎のビジョンとは

考学舎のビジョンは、社会に出て幸せに学び続けられる人を一人でも多く輩出していくことで、 それによって社会が平和になり、より良くなる、そんな世界を描いています。

ー「社会に出て幸せに学び続けられる人を一人でも多く輩出していく」というビジネスに取り組まれているのはなぜですか。 社会に広げていこうと思われた理由はありますか

26歳で考学舎を始めたときは、例えば学校であぶれてしまった子や、学校でうまくいかない子たちを何とかしようと思うと、みんなボランティアで何かをやるしかなく、おまけにみんな何をすればいいかわからないから居場所を作る、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。しかし、それだけでは人は伸びません。やはり刺激と何らかの方法で学んでもらうことが必要だと考えたのです。まず学べる場所が必要だと考え、それを持続的にやっていくために、事業の形にできないかという思考に至りました。最初は本当に小さいところからスタートして、今ようやく形となり、人も増えて、広がりつつあるところです。

ー学校の中であぶれている人や生きづらさを感じる人、そこに課題を感じられたのはどうしてでしょうか

当時、時代は、バブルが崩壊したときで、私が教えていた子や関わっていた子たちの中で、一家離散した子達がいました。学校へ行ったら一家離散したことがバレるから、学校へ行けない子もいました。

 

しかし、それこそ何も問題のない子ども達です。彼らがこれで学校に行かなくなったら、その当時の社会へ出るまでの一般的なコースを絶たれてしまうことが目に見えていました。当時の私は、この子ども達を社会に出さなければもったいないと考えました。そして、学校という枠からあぶれてしまっている彼らをうまく社会に戻せる仕組みを作ったらおもしろいと思いました。考学舎は、学校からあぶれてしまった子ども達に対して、社会で必要なことを学んでもらう場所です。社会に出てみて必要なことは、学校で学ぶ学問とは性質が違うので、そういったソフトスキル的な部分をここで学んでもらいます。そのあと大学に行く人もいれば、当社の関係先でインターンとして入る人もいます。

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ー「幸せに学び続けられる人」というビジョンを持ち、中心的に取り組まれていることやそこへの想いのなかで取り組まれていることは何ですか。

考学舎は「科目」にわけて授業を行うことをやめました。そうは言っても学校へ行きながら来ている子ども達もいるので、授業内容としての科目の勉強もします。社会に出て必要な「8の力」を定義し、とにかくこれを伸ばしていくことで学び続けられる、いわば「勉強体力」をつけることを大切にしています。

* 考学舎が定義する「8の力」とは、自学力を身につけるために、科目横断で学ぶ8つ(語彙力・読解力・理解力・表現力・思考力・想像力・共感力・体力)の力を指します

ーなぜ想像力や共感力が必要なんでしょうか

文章を読んで読解するときには、ある程度想像ができないと共感することもできません。今の時代、SNSや様々なニュースを目にする中で、ヒト同士が対面する機会が減り、この想像力や共感力が抜け落ちている方が沢山いると感じます。実は、これらをトレーニングするために、この教室の作りに関しても一工夫があります。

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こちらが8つの力をトレーニングするために工夫が施された教室です。

実は生徒の座り方によってトレーニング効果が発揮されます。さて、皆さんにここで質問です。生徒は一体どこに座るのでしょうか。想像してみてください。

ー当初から、現在の考学舎の形は想像されていましたか

結果的にこうなったという方が正しいです。スタッフは「不思議な場所だ。誰も肩肘張っていない。どこにもヒエラルキーのない場所」と表現しています。考学舎では高校生も小学生もファーストネームで呼ぶようになっています。なんとなく私が当初、ファーストネームでみんなを呼んでいたことが続いていて、高校生と小学生もお互いファーストネームで呼びます。みんな苗字を知らないのです。これが兄弟のような関係性の元になっているのかなと思います。

ーanyの共創パートナーとなった理由を教えてください

私たちがビジョンのために取り組んでいることを持続的に行っていくためには、「これがやりたい!」とか「これをやろう!」といった本人達の「パーソナルビジョン」がないと歩き続けられないと考えます。anyは、それができる場所です。ベースになる力があって、かつ、自分でこれをやろう!という思いがあったら自分で歩き続けることができます。その思いとは何かを考えさせてくれる場所だと感じました。 正直、僕がこの次にやりたいことでもあったので、anyに参画しました。

ーanyに参画することでご自身や考学舎にとってどのような影響がありましたか

ここ最近、anyの共創パートナーになって「あること」に気づきました。私たちが取り組んでいることは、個人に対して「8つの力」をつけていくことです。しかし、個人の中にいるだけではつかない力もあります。その力はやはりグループの中でこそ培っていくことが重要となります。そして、これを行うためには安全な場所が必要だと考えました。

私たちは今専門学校での講義を担当しています。その時に必要なことは、先を見る視点だと考えています。専門学校生には、就職支援まで必要です。学生は国家資格をとるためにこの専門学校に入学します。しかし、一部にはそのつもりで入学はしたけれど、学び始めてみたら、何か違うのではないか、という違和感を持ちながら勉強を続ける学生もいます。そうなってきた時に、彼らに対してできる我々のアプローチは、考えに考えて自分の幹を太くしてけるよう側面から支援することです。とりあえず、今目の前に

あることについて考えて続けることが大切です、続けることで自ずと先が見えてくるというアプローチです。

 

しかし、anyに参画することで、ここをどう広い視野で捉え、考えてもらえるかというアプローチができていないことに気づきました。

私は、このアプローチを勉強するべき時に来たと、最近感じています。また、場づくりができる人は、極めて重要であることに気がつきました。参画させていただいている学校で、上手くいく学校では、「自由」と「安全な場所」(心理的安全)を準備できている、ということに気づきました。これは企業でも同じだと思います。企業でも結局何人かのグループの中でそういう場を作れているのか、いないのかがとても大切だと感じています。

ー次の世代につなげていくということをテーマにして、坂本様の思いやエピソードございますか

私は、20代30代の人が夢を描けて、そこに向けて頑張ろうと思えることによって、それこそ結婚して子供を産むという選択肢も可能になるのかなと思います。今は、おそらく今の状態を守る守らないとというような「現実的」な思考が多くを占めている気がします。これがもう少し未来に対して開いていかないと、難しいという思いがあります。でも、anyがこの問題のソリューションになる、と考えていて、そこにとても期待しています。

 

一方で、私はシニア世代に関して悲観的な部分が少しあって、これをうまく循環に組み込んで行くのは結構大変だぞって思っているところもあります。私は今年で50歳、バブル期を少し知っている世代です。社会は自然と成長していくものだ、という感覚が抜けきれないのです。今の50代以上の世代は、そういった背景を持った人たちが多いのではないでしょうか。だから、成長しないことを前提とした社会に巻き込まれていくことに少し難しさを感じています。

 

anyは、少子高齢化社会ということを逆手に捉え、6.9人の大人が一人の若者を支えることができる時代と掲げていると思いますが、上下の世代に関係を持たせることを通して、世代の循環を促しつつ、どちらの世代も成長できるプロジェクトとしての可能性を感じています。

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any生や次世代に関するさまざまな情報を発信していきます。
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