2024年6月に始動した当プロジェクトに参画するエニー生を代表して成澤木怜さんに東京と地方の違いや、今般のイベント企画に至った背景についてインタビューしました。
―自己紹介をお願いします
青森県、弘前大学に在籍している成澤木怜(もくれん)です。東京都にある国際基督教大学(ICU)で物理学と情報学を専攻し、VRコンテンツ制作会社で3年ほどインターンを経験していました。その後、ITの技術を活用して医学界に貢献したいと考え、弘前大学医学部に進学して今に至ります。現在は医学部に通いながらIT企業を経営しています。
―もともとは東京の大学にいたということですが、東京から青森に移住してきて、率直にどうですか?
最初は正直、青森のことを田舎だと思ってバカにしていました(笑)。ただ実際に住んでみると、思っていたより過ごしやすいし便利です。
ただ地域独特の文化や、遊ぶところが少ないのは確かなので、来てみないとわからないことは多いように感じます。
―ありがとうございます。関わる人の違いは何か感じますか?
大きく違いを感じています。東京にいた時は、関わる人のみならずみんなが独立している感じでした。人は人、赤の他人という感じです。
一方で青森では、人との繋がりが多いし深いです。つい先週も仲良くなったリンゴ農家の方が紹介してくれた村対抗の野球大会に参加してきました!
地域の交流が盛んで、そこで知り合った方からまた紹介があったりと、繋がりを感じやすい環境ですし、温かみや繋がりを感じさせてくれる人が多いです。
―木怜さんは野球大会などにも参加するのですね(笑)。少し意外です!
少し角度を変えての質問です。東京と青森でチャンスの数や大きさに違いはありますか
すごく感じるところがあります。
東京だと自分が何をやるか、それが社会的に評価されるのか、というだけなのですが、地方(青森)は、地方に根差した課題を解決できるかが重要です。それが解決に向けたアプローチになり得ると判断されると、行政がバックアップしてくれる環境です。そのほかにも私自身、新聞社から取材していただき、認知拡大の面でも支援いただきました。
このように行政やメディアを巻き込んだバックアップのもとに新しいことに挑戦できるのは、都心にはない地方の良さだと感じます。
ー地域の課題に即して事業を興すと行政を巻き込んで事業を進められるところが地方ならではのチャンスということですね。一方で、地方創生(関係人口の増加や転出超過)に対して感じる課題感はありますか
明確にあります。私の周りでも都会を経験したことがない若者は一度は都会を経験したい人が多いです。東京の方が文化的に触れる機会・遊ぶ機会が多いからだそうです。ただ、小さいころから都心部で過ごしてきた人が地方に来て、そこで何ができるのかを考えるのは、貴重な機会であり、新しい人生の過ごし方になるのではないかと、青森に来てから感じています。
地方にしかない自然や地方ならではの課題、限られた環境の中で何をすべきか考える面白さがあります。こうした時間は貴重なので、そういうことを考えられる余裕のある方が地方で生活するのは良いと思います。
ー確かに情報があふれる中で、じっくりと思考する機会は失われつつあるのでそれを楽しめる人には貴重な機会になりそうですね。一方で、就活生の約半数は地方就職を検討しているというデータがあります。地方移住を経験した学生の視点から、ファーストキャリアでIターン就職を検討する際にアプローチすべき課題は何だと思いますか?
肌感がわからないことが一番だと思います。その土地に行くとどのような生活ができるのか、面白いことがあるのか、どのような人がいて、何ができるのか。そしてどういう人が行くと楽しめるのかを分かりやすく発信できるかが重要になると考えます。どの地域にも魅力はあるので、学生が選択しやすくなるような、わかりやすい表現で学生視点で伝えてほしいです。
ープロジェクトへの参画理由を教えてください
私自身、行政の担当者と地方創生の話をする中で、広島県の地方創生に興味があったので参画しました。どこも抱えている課題は同じで、一つの成功事例があればほかでも活用できるのはないかと考えて参画しています。
ー今回プロジェクトメンバー(地方在住のエニー生)と共に企画したイベントでは、魅力的な企業経営者、広島での生活がイメージしやすいコンテンツになっていますが、そこに至った背景を教えてください
青森に来て感じたこと、来る前にイメージしていたものと実際には、ギャップがあったので、そのギャップをどうしたら解消できるのか、興味を持ってもらえるのかを意識しました。
そこでたどり着いたのが「リアリティ」の追求です。私たちは、縁もゆかりもない土地でファーストキャリアを選択された方とのディスカッションやVlogのような動画コンテンツ、会社経営者との対談を通じたイベントを企画することで、広島での仕事や生活がリアルにイメージできるようにしました。
ー広島だけでなく地方就職を検討する学生が都心と地方での就職・生活を比較する解像度が上がるイベントになりそうですね。では、最後にメッセージはありますか?
このイベントを通じて、一人でも多くの人が広島県や地方就職に興味を持っていただき、その人が楽しい人生に繋がっていれば嬉しいです。
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